2014年02月13日 過去の実績

シロアリはふだん我々の目につかないところで活動しています。
そのため見たり叩いたりする簡易検査では内部の状況がよくはわからない事があります。

この現場では、床下で駆除作業を始めてしばらく経った頃2cmほどのすき間から壁の内部が見えました。
写真のように、そこに配置された筋違い(すじかい)にわずかな異状が見受けられます。
画像右側のささくれた少し白っぽい部分が筋違いです。筋違いは耐震上、非常に重要な部材です。

筋違いは垂直の柱を斜めから支えるように取り付けられています。

材料は主に木材ですが鉄材が使われていることもあります。

柱が右へ倒れそうになると、左へ引っ張る役目。左へ倒れそうになると右へ引っ張る役目をしています。

その筋違いがシロアリの食害にあっているようです。内部の探知できない箇所が疑わしければ別のの確認方法が必要です。上のほうまで食害されている可能性があったので結局、壁を取り壊す大がかりな確認作業になりました。やはり上部まで食害が拡がっていました。下の方はささくれ程度でしたが上の方の食害がひどく、交換する事になりました。写真内左右の直立している木材が本柱。斜めに取り付けられているのが筋違いです。

再度、床下の写真です。

上の筋違いから30cmほど離れたところにある土台が手がスッポリ入るほど食べられ空洞化しています。

この辺りからシロアリが侵入加害を始め上にある筋違いまで到達したようです。

これほど土台が大きく被害を受けていれば通常は下の基礎コンクリートに蟻道が構築されているものです。

しかし床下に蟻道はありませんでした

実はこの土台の外側では家庭菜園があって土が高く盛られさらにセメントで固められていました。その中に土台が隠されたような状態であったわけです。土と直に接触していた土台は建物外側の土中からシロアリに侵入されました。これは床下点検や通常の簡易検査では発見が難しい事例です。

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