シロアリ生息の確実な症状が蟻道(ぎどう)です
この床下では木材や束石などにすじのような細長い土がついていたり
写真のようにべったりついた土のかたまりのようにも見えます
間違えやすいものとして、建築工事中に練られた壁土が飛び散り
木材や基礎にくっつくいてしまったものがあげられます
それが乾いてしまうと蟻道によく似ていますので最初は間違えやすいですが
何カ所も見ていくうちに見分けがつきます
また、見分けがつかなければカッターでそっと崩してみて
シロアリが出てくるようなら蟻道です
その場合、乱暴に崩してしまうとシロアリが飛び散ることがあります
シロアリ一匹の大きさは4mmから8mmなので
バラバラに散らばると土粒・石粒にシロアリが混じってしまい
非常に見にくくなりますのでゆっくり作業を進めてよく見ていきます
崩してみれば大量のシロアリが出てくるでしょう
束石のこちら側から上り、いったん上りきったところで左側へ迂回して
さらに束柱をよじのぼっています
そしてその上の大引き中へと侵入加害しています
侵入初期はもっとずっと細い幅の蟻道ですが
シロアリが増え蟻道内での行き来が盛んになると
蟻道もどんどん太く構築されていきます
写真のような太さになっていると床板表面近くまで食害が広がっていることが多いものです
たとえば、じゅうたんやカーペットをめくってみるとシロアリがびっしりいたり
畳を上げるとやはりシロアリが食い荒らしていたりします
畳と床板の間、あるいは畳の内部にまでシロアリが侵入していることもあります。
駆除前の検査で建物の屋根近くにまで食害がある事がわかりました
この建物では瓦の下地板までシロアリの食害が認められます
この部分だけがシロアリに食べられているということはまずありません
床下から侵入食害を始めたシロアリが柱などを食べながら
徐々に上まで上がっていると推測されます
結果はやはりかなりの食害があり床下や室内だけでなく
天井裏の構造材にまで深刻な被害がありました
天井裏まで駆除をする場合は液漏れなどを考慮して
薬剤の種類を変える必要もあります
天井付近までシロアリ被害がある場合は
薬剤の種類も作業内容も煩雑になります
なお、写真から推測できるように屋根付近の木材部は
雨が降りかかるような状態になっています
こんな場合の優先事項はシロアリ駆除と同時に雨がかかる部分の防水処置です
大工さんか板金屋さんがやってくれます
常に水がかかるような木材部とその周辺は一気にシロアリに食害されます
外部をチェックしてみて上記写真のような
雨がかかる部分があれば、つついてみて
ボロボロになっていないかなどしてみます
特に近隣にシロアリ被害を受けた建物があったり
山林、雑木林が近い場合には
家の上方からでも食害される可能性があります
30年近くシロアリ駆除・予防に携わっている筆者の最近の感想ですが、どうもここ数年天井裏まで食害が達している建物が多いように思われます
ヤマトシロアリは侵入後最初のうちは、床下で繁殖し水平方向に加害していく傾向が見られます
横広がりしていくのです
建物上部に到達して食害するのには何年もかかります
あるいはそれ以上です
それほどの年月の間、シロアリが食害を続け活動していたのなら、毎年発生しているはずの羽アリが一度くらいは家の人の目についていることと思われます
そこで検査時、また工事後にもお家の方にお尋ねすると、やはり何度か羽アリを見たことがあるとおっしゃいます
しかし、まあいいやと思って放っておいたとか
そう言われる方がたくさんいらっしゃいます
天井裏にまで入り込んだシロアリを駆除するのはなかなか難渋します
特に、梁(はり)と呼ばれる部材が食害にあっていると薬剤量、作業時間とも大幅に増大します
梁にはシロアリの好物である松材がよく使われています
シロアリがここに食いつくと凄まじくやられてしまいます
一抱えもあるような松材の内部がスカスカにされます
梁は大きな部材なので、スカスカにされる部分もシロアリの数も大であり、駆除するには多量の薬剤が要ります
注入する多量の薬剤があふれてこぼれ、階下へ漏れたりしないように十分に養生をして注意深く作業を進めなくてはなりません
天井裏での作業ゆえに、液状薬剤があふれてしまったら天井板に染み込み、室内へも伝い落ちてしまう可能性があります
一抱えもある松材ですが、やはり中身がかなり食害されているようでした
ハンマーで叩くとズッシリした音が出るはずのところ、ポコポコと軽い音、いわゆる空洞音がしました
内部が食害され空っぽの部分ができている事を示しています
長いサイズのドリルビットを使って深く穿孔し、薬剤を注入していきます
建物全体からシロアリを排除するためには、この部分だけの処理では足りません
この梁に到達した侵入路を調査把握した後、周囲部材の被害確認および処理が必要です
そのため侵入路を調べ始めたのですが、下部柱から上がって来た形跡がありません
通常いるだろうと思われるところにシロアリがまったくいません
梁に被害がある場合、雨漏りもあることが多いので周辺の水ぬれも探しましたがその気配もありません
そして外部を調べて水分をたっぷり採れる場所を見つけました
つまり、長い侵入経路がなくても単独でシロアリが生きていける場所です
建物北側の軒先部分でした。
建物上部で水分を補給できると屋根瓦の下地材辺りまでも食害されます
イエシロアリであれば普通の事ですがヤマトシロアリの場合、早期に駆除していればそんな上まで被害にあう事はありません
軒先は雨水がかかるので防水薬剤で処理しました
実は長年シロアリが生息しているのを知っていながら駆除せずにいた、と工事完了後に話していただきました
もちろん工事前にできるだけ詳細に聞き取りをするのですが、工事料金がかさむことを懸念してシロアリの存在を濁して話されるケースが多いように思われます
ヤマトシロアリのエサ場でありすみかでもある大きな木片です
駆除工事をした建物の周囲にありました
幅40センチくらいです
通常、建物外部の雨があたる場所にこんな大きさで
すっかり食べられたものがあるのはあまり見たことがありません
・建物に大きな被害をもたらすシロアリは主に2種類います
ヤマトシロアリとそれに輪をかけて獰猛なイエシロアリです
イエシロアリは巨大な巣を作ります
ヤマトシロアリは巨大な巣を作るのではなく、建物のあちこちに小さな巣を作ります
ゲリラ的ともいえるでしょうか
ヤマトは小さい巣だからといって、イエシロアリに対する駆除方法を
そのままでは摘要できません
ヤマトの巣はそれぞれが独立性を持っているため
ひとつずつ巣を確実につぶしていかなくてはなりません
中途半端なやりかたをすると
生き残ったヤマトシロアリが再び増殖する可能性があります
一般的に下等な種類のシロアリほど再生能力が高いとされていて
ヤマトシロアリの場合実験上では25匹の個体から巣を再構築することが確認されています
現場での処理に際してはヤマトシロアリの食害状況を確実に把握して
見逃しのないようにすることが完全駆除のポイントのひとつです
ヤマトシロアリの巣はエサ場も兼ねていて、内部は不潔です
様相もグチャグチャして汚い感じを受けます
いっぽう巨大な巣を構築するイエシロアリはヤマトシロアリと
比べると整然とした感じがして、内部は清潔に保たれています
床下へ入るとき、台所などに床下収納庫があると、とても楽です
ほとんどの場合、道具なしで取り外すことができますし、たてよこの大きさが充分あるので床下へ入ったり出てきたりしやすいからです
床下収納庫や点検口がなければ和室の畳をあげます
畳の下には幅20センチくらいの杉板がはってあるので釘を抜きます
なお最近は杉板ではなく、畳1枚と同じくらいの大きさの
コンパネ板がはってある事も多いです
この場合なれていないと外しにくいものです
部屋のカドに打ちつけてあるコンパネは特に外しにくいので
それ以外のところを外します
※黄色いところは外しにくい
画像中央部あたりに開いている穴は点検口です
こんな点検口があればここから入れます
ただ、この点検口はたての長さが小さいので床下への出入りに少々苦労します
出入りが無理だと判断したらコンパネをめくります
床板が杉板の場合は下記のような流れです
身体が硬いと入る時キツイです
木の幅がせまくてとても入りにくい事があります
・第一の基本的なシロアリ探知方法-蟻道(ぎどう)の有無
写真中央に茶色っぽいすじが地面から上に延びています
蟻道(ぎどう)といいます
これがないか丹念に探します
あればシロアリがいます
下の写真のようになっていればすぐわかりますが、シロアリは木の表皮を残して食害するので一見しただけではきれいな木材に見える事も多いものです
きれいに見えていても、つついたり、叩いたりして確認することが必要です
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